親父が退院。
3ヶ月ほど入院し退院する日がやって来ました。
僕達は「ワクワク」しながら迎えに行きます。
しかし、元気のない親父。
痩せ細ってしまった親父。
歩くのですら大変そうでした。
家に帰り、学校での出来事や面白かったテレビの話などをしていましたが、どこか辛そうな親父。
やはり身体が限界だったのでしょう。
直ぐに仕事に戻ることも出来ず、結局経営していた居酒屋は閉めることに。
医者からも働くことをとめられていたのです。
家族5人。母親のアルバイトの収入だけが頼りでした。
家のことは親父がやるようになりました。
最初のうちは毎日、ご飯も作ってくれて洗濯、掃除もしていました。
親父は居酒屋経営をしていたこともあり、ご飯は世界一美味しかったです。
僕達は楽しい時間を過ごしていました。
母親が大変なことも知らず。
それから少し時間がたち、親父がスーパーのお惣菜を買ってくることが増えました。
洗濯物も何日も干しっぱなし。
トイレットペーパーが無くなることも。
そうです。親父は身体がしんどかったのだと思います。
それに気付いた母親は親父に厳しく当たるようになりました。
親のケンカが増えました。
僕達、兄弟は自然と親父を守るようになっていきました。
何か足りないものがあればスーパーへ買い物に行き、掃除や皿洗いも子供たちでやるようになります。
しかし、母親は納得していません。
親父を守ろうとして親父が怒られます。
今思えばどうするのが正しかったのか。
両親が顔を合わせれば喧嘩をしていました。
そんな日が続き、とうとう。
つづく…。